当事務所の解決事例の一部をご紹介します。
2023年9月6日
相続・遺言
被相続人の一切の遺産を他の相続人に相続させるとの公正証書遺言があったため、遺留分を侵害された相続人から依頼を受けて、遺留分侵害額請求の調停を申し立てた事例です。
遺産の評価(特に土地)をめぐって争いになりました。
相手方は固定資産税評価額に基づく評価を主張しましたが、それでは低すぎるということで不動産業者の査定書を提出して時価を主張しました。
最終的には、調停委員会から提示された双方の中間の価額で調停成立となりました。
相続に関する紛争防止のために公正証書遺言を作成しておくことは一般的な対策です。しかし、その反面、相続開始後に遺留分侵害額請求の紛争に発展してしまうケースがしばしば見受けられます。
本件も遺留分を侵害する相続人から遺留分権利者へ任意の金銭の支払いが期待できなかったために、調停を申し立てざるを得なかった事例です。
(参考)遺留分侵害額請求権に関する時効と除斥期間は以下のとおりです。
①遺留分侵害額請求権の時効
相続開始と遺留分の侵害を知ったときから1年以内に行使をしないと時効で消滅する(民法1048条前段)。
②遺留分侵害額請求権の除斥期間
相続開始から10年が経過すると相続の開始や遺留分の侵害を知らなくてももはや遺留分侵害額請求権は行使できなくなる(民法1048条後段)。
③金銭支払請求権の時効
遺留分侵害額請求権を行使すると金銭支払請求権が発生しますが、行使から5年以内に金銭支払請求をしなければ時効で消滅する(民法166条1項1号)。
本事例では、①は依頼者ご自身で内容証明郵便により行使されました。
その後、③の金銭支払請求の段階から弁護士が依頼を受けて調停を申し立てました。
当事務所では数多くの相続・遺言問題を解決に導いております。
また相続・遺言の際にはトラブルになりやすい問題が多数ありますので、相続・遺言でお悩みの方はまず相続・遺言問題のご相談を参考に確認ください。
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